エピタフ、この100枚

トリプルファイヤーの新しいアルバム「エピタフ」に因んで選んだ、この無人島から瓶に詰めて海へと放ちたい100のアルバム。

  • #1's [Bonus Tracks]
  • Acnalbasac Noom
  • Acabou Chorare
  • A Can Of Bees
  • Welcome Back The Workshop
  • 1984 (Japanese Bonus Edition)
  • 1982 - Tropical Gangsters (2002 Remaster + Bonus Tracks)
  • 0cdd62f6763baf32dc3ab49e930949ed4ed66dc0_l
  • Zamla Mammaz Manna - Schlagerns Mystik
  • 2 Guitars Country Style
  • Winter Songs_The World As It Is Today
  • Abbiamo Tuttu I Suoi Problemi
  • You're Dead! [Bonus Track]
  • Yeezus [Explicit Version]
  • Young, Gifted And Black
  • Why Can't We Live Together_ The Best Of The TK Years 1972-'81
  • Thin Line Between Love And Hate
  • Wed21
  • Let It Be
  • Tom Tom Club
  • Juicy Fruit
  • The R. In R&B Collection Vol. 1
  • The Documentary
  • The Clash
  • R-836154-1379038611-5140.jpeg
  • The Nightfly
  • Rancid-And-Out-Come-The-Wolves
  • Talking_Heads_77
  • Tasty
  • Superfly
  • Stands For Decibels
  • Some Girls
  • Surfer Girl _ Shut Down Vol. 2
  • Neon
  • Rock Your Baby
  • Paranoid
  • Ready To Die
  • RCA Country Legends_ Jerry Reed
  • Rastakraut Pasta
  • Q_ Are We Not Men_ A_ We Are Devo!
  • Requiem For What's-His-Name
  • Pst!_S.Y.P.H.
  • Palais Schaumburg
  • Open & Close _ Afrodisiac
  • 51YMg33hSXL
  • Off The Wall
  • Shiny Beast (Bat Chain Puller)
  • Nu Yorica! [Disc 1]
  • 83107650
  • Nellyville
  • Miami Sound_ Rare Funk & Soul From Miami, Florida 1967-1974
  • mallard
  • Moondog Matinee
  • White Trash, Two Heebs and a Bean
  • 81MQrJNzxPL._SL1400_
  • Les Poumons GonfleÃÅs
  • Isley_brothers_3_+_3_album
  • Justified
  • The Meters
  • J Is For Jump
  • It's Alive
  • It's A New Day - Let A Man Come In
  • Black Messiah
  • Inspiration Information
  • In Search Of...
  • Hip Hug-Her
  • Hatful Of Hollow
  • Funky Nassau
  • G I R L
  • Friends & Countrymen
  • First Love
  • Feel Good
  • Fresh
  • Faust IV
  • 51NzOtdFIiL
  • Expresso 2222
  • Funky Nassau - The Compass Point Story 1980-1986
  • Estudando O Samba _ Correio Da EstacÃßaÃÉo Do BraÃÅs
  • Ex-Futur Album
  • Ege Bamyasi
  • Early Girls_ 2
  • Black Sea [Bonus Tracks]
  • Down By The Jetty
  • Dub Housing
  • Afro Rock (Vol.1)
  • Double Fantasy
  • ween
  • Die Kleinen Und Die BoÃàsen
  • Angel's Egg (2004 Expanded Remaster)
  • Duck Stab
  • Chewing Hides The Sound
  • Cherry Bomb
  • topimpabutterfly
  • Duck Rock
  • Be Altitude_ Respect Yourself
  • XATW-00015185
  • Amplified
  • Buy
  • Aja
  • Afro Baby The Evolution Of The Afro-Sound In Nigeria 1970-79
 

「エピタフ」先行即売会 “夏のエピタフ祭り”

Summer Interlude by Notoriious on Mixcloud

  1. Theme From A Summer Place / Percy Faith
  2. Funky Nassau (Part 1) / The Beginning Of The End
  3. Give It Up Or Turnit A Loose (remix) / James Brown
  4. Tape You / N*E*R*D
  5. Peg / Steely Dan
  6. Let’s Be Adult / Arto Lindsay & The Ambitious Lovers
  7. Something Wrong In Paradise (Larry Levan mix) / Kid Creole & The Coconuts
  8. Fire / Lizzy Mercier Descloux
  9. Jump Into The Fire / Harry Nilsson
  10. I Can Feel The Fire / Ron Wood
  11. Apeman / Esso Trinidad Steel Band
  12. The Coffee Cola Song / Francis Bebey
  13. Rock Your Baby / George McCrae
  14. Rock Steady / Aretha Franklin
  15. Hollywood Swinging / Kool & The Gang
  16. Cool In The Pool / Holger Czukay
  17. I’m A Wonderful Thing Baby / Kid Creole And The Coconuts
  18. Runaway / The Salsoul Orchestra Feat. Loleatta Holloway
  19. A Night In New York / Elbow Bones & The Racketeers
  20. A Summer Place / Andy Williams
  • romeo
  • Funky Nassau
  • In The Jungle Groove
  • In Search Of...
  • Aja
  • envy
  • Doppelganger
  • Press Color
  • Nilsson Schmilsson
  • I've Got My Own Album To Do
  • The Esso Trinidad Steel Band
  • African Electronic Music 1975-1982
  • Rock Your Baby
  • Young, Gifted And Black
  • Wild-and-Peaceful-album-cover
  • Movies
  • tropical_gangsters
  • the_salsoul_orchestra-magic_journey
  • New York At Dawn
  • Moon River And Other Great Movie Themes
 

【密造盤】スカート「おばけのピアノ」カバーについて

皆さん、「密造盤」はもう入手しましたか!
「密造盤」って何?という方のために説明すると、スカートが主催する「月光密造の夜」というイベントに出演するスカート、ミツメ、トリプルファイヤーがそれぞれの指定した曲を互いにカバーし合うという企画に基づいて制作された盤のことで、そもそも「第5回 月光密造の夜」の入場者特典として配布されたものですが、来る8月24日に名古屋CLUB QUATTROにて開催される「出張版 月光密造の夜」を記念し、一部店舗限定で7月15日から販売されることになりました。現在は売り切れの店舗が多い模様です。トリプルファイヤーの物販でも扱っておりますが、残りわずかだったように記憶しています。収録曲の一部、というか半分はSoundCloudで試聴できますが、もう半分は入手しないことには聴くことができません。興味のある方はどうにか入手して聴いてみてください。
「密造盤」取扱店舗
タワーレコード 近鉄パッセ店・名古屋パルコ店
JET SET ※通販 V.A. / 密造盤 | Record CD Online Shop JET SET / レコード・CD通販ショップ ジェットセット
ココナッツディスク 吉祥寺・池袋店 ※通販 COCONUTSDISK WEBSTORE – V.A. / 密造盤 [NEW CD]
スカート「おばけのピアノ」カバーについて
我々がカバーした「おばけのピアノ」を今改めて聴くと、「欲張ったわりにはシンプルだなあ」と感じる。シンプル過ぎるきらいがあるものの。
作業をしている間は、ああしようこうしようと色々考えるのだけれど、終わってしまうと記憶からスルスルと抜け落ちていってしまう。今回は落穂拾いして記憶を復元してみようではないかという試みです。
ミツメをカバーした「三角定規△」はあからさまにスミスのパロディなので「スミスです!」と言えばだいたい事足りてしまい、何も困ることはなかったのだが、スカートをカバーした「おばけのピアノ」の場合は、適当なキーワードがなかなか見当たらず説明するのがなかなかに難儀だ。しかしハナから誰も説明など求めていないのだから、困るというのもおかしな話なのだが。ここはひとつ、おじいちゃんの問わず語りを聞く孫になったつもりでご容赦いただきたい。
アレンジに着手した頃、スカートでベースを弾く清水くんに誘われてマンタ・レイ・バレエの久々のライブをサポートすることになった。そしてそれが契機となって「ポップス栓」が開かれた状態だった。
現在のバンド活動に従事する以前は、60年代・70年代アメリカのSSWやポップス、ソウルおよびR&Bが好きで、アルバムでいうとJo Mama「Jo Mama」、Hirth Martinez「Hirth From Earth」、Laura Nyro「Gonna Take A Miracle」、Todd Rungdren「Runt: The Ballad Of Todd Rundgren」、Harry Nilsson「Aerial Ballet」等々がお気に入りだった。
ソウルおよびR&Bの線でいくと、Marvin Gaye & Tammi Terrell “Ain’t Nothing Like The Real Thing”、The Jackson 5 “Never Can Say Goodbye”、The Delfonics “La-La Means I Love You”、Diana Ross & the Supremes and The Temptations “I’m Gonna Make You Love Me”、Stevie Wonder “If You Really Love Me”などの甘めの曲が好みだ。根が「河田町〜お台場経由のお茶の間渋谷系」であるからしてこれは仕方がないことである。
ギターに限った話をすれば、ダニー・コーチマー、エイモス・ギャレット、デヴィッド・T・ウォーカーといったクセのあるスタジオミュージシャンが好きで、参加アルバムを調べて集めたりしていた。
こういった趣味があったものの、しばらくの間ほったらかしにしてしまっていたので、マンタ・レイ・バレエの練習に備えて、埃を叩いて天日に晒したのであった。このようなタイミングで「おばけのピアノ」のアレンジを考えたので、その影響は如実に表れているはずと思ったのだが、改めて聴いてみるとそうでもないような気がしてもはやよくわからない。
リズムパターンの下敷きは言わずもがな、山下達郎の「RAINY WALK」だ。細野晴臣と高橋幸宏という本邦リズム隊の最高峰に真っ向から挑むという無茶はせず、「RAINY WALK」よりは少しルーズな感じが出たら良いなあと考えていたから(というかルーズにならざるを得ないのだが、それを良い方向に転ばせるという魂胆)、大垣くんには「レイドバックして!」というリクエストラブもといリクエストの下、ドラムを叩いてもらった。
「RAINY WALK」を選んだのは「シンプルにやる」というテーマがあったからだ。Talking Headsの一枚目のような慎ましさとR&B趣味のカジュアルな発露が念頭にあり、最終的にそういうところに着地できればと考えていた。ちなみに『Talking Heads ’77』の地味さがとても好きなのだが、こういうことをいうと斜に構えてると言われてしまうから大変なご時世だ。そんなことはどうでも良い。『Talking Heads ’77』の地味さに加えて、Tom Tom Clubの“Genius Of Love”ようなある種のお気楽さも欲しかった。「三角定規△」とセットで考えたときに、陰の「三角定規△」、陽の「おばけのピアノ」になり、陰陽的なバランスが取れるわけである。東洋的なツボもきちんと押さえるというこの抜かりのなさよ。地元じゃ”鳥居抜かりなさ道”と呼ばれていました、ええ。
デモ制作の段階で、レニー・クラヴィッツにこんなアレンジの曲なかったっけ?と思ったのだが結局思い出せずにいた。(調べてみると、それは“It Ain’t Over ‘til It’s Over”という曲であった。良い感じのベースを弾いているのはなんとガンズのダフ・マッケイガン!レニー・クラヴィッツの同級生であるスラッシュの紹介か。ドラムはジェームズ・ギャドソンの16ビートをオマージュした感もあり。)デモを聴いた山本くんは「元ネタは尾崎紀世彦のまた逢う日まで?」と言っていた。筒美京平先生ならウェルカム。ところで話は逸れるけど、筒美京平先生のペンによる、かまやつひろしの「幼きものの手をひいて」ってとても良い曲ですね。「河田町〜お台場経由のお茶の間渋谷系」の琴線を刺激しまくる名曲中の名曲だと思う。
「おばけのピアノ」のギターにはフェイザーがかかっている。なぜなんだろう。たぶんヨットロック感が欲しかったからだ。合言葉は”Stay Smooth!”だ。
「おばけのピアノ」には間奏部分があったので、そこでギターソロを演奏した。弾かないという選択肢もあったが、それはそれで野暮に思えたし、シンプルにしすぎたためにアレンジにおけるひっかかりがないかもなという懸念もあった。良い感じのギターソロを加えることができたら、目鼻立ちが少しはくっきりするかもしれないと考えてソロを弾くことにした。エイモス・ギャレット、デヴィッド・T・ウォーカー、「卒業写真」の鈴木茂をイメージしたけれど、何となく全体的にロビー・ロバートソンっぽいある種の甘さが漂っているように自分では感じる。
また、シェーカーの代わりとして正露丸糖衣Aを振った。これは、TLCの“Waterfalls”やMonicaの“Don’t Take It Personal (Just One Of Dem Days)”といったアメリカ南部産R&Bのジャリっとした質感を出したかったからだ。あれは本来塩化ビニールに刻まれたドラムの音をサンプラーに取り込んで歪ませた音による質感なのだろうが、それを正露丸糖衣Aで代用してしまった。代用品として機能しているかどうか甚だ謎である。ただ、お腹の調子が悪いときに聴けば何かしらの効用があるはず。
「三角定規△」のときもそうであったが、作業中に確認のためにミツメ、スカートによる原曲を聴く度に得も言われぬ感動に襲われた。それはもう、腹の底まで染みて、体温も少し上昇するほどの感動であった。これはなかなかに得難い体験だったと思う。
さて、ここで、開催まで一月を切った「出張版 月光密造の夜 名古屋編」の告知をば。以下、詳細です。

出張版 月光密造の夜 名古屋編

2015年8月24日(月)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
OPEN 18:30 / START 19:30
<出演者>
スカート / ミツメ / トリプルファイヤー
料金:前売2800円 / 当日3300円 / 学生2000円(要学生証提示)
チケット販売:e+ / チケットぴあ / ローソン / タワーレコード 名古屋パルコ店 店頭
お問い合わせ先:ジェイルハウス / 052-936-6041
NAGOYA CLUB QUATTRO(名古屋クラブクアトロ)公式サイト

名古屋パルコは若き日の私にとってのサンクチュアリなので、自ずと気合も入ります。皆様も是非お誘い合わせのうえ奮ってご参加ください。どうぞよしなに。暑い日が続きますのでくれぐれもご自愛くださいませ。

 

『エピタフ』トリプルファイヤーの新しいアルバム

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トリプルファイヤーの新しいアルバム「エピタフ」が発売中です。(発売日:2015年9月15日)

「エピタフ」収録曲

  1. SEXはダサい
  2. トラックに轢かれた
  3. 変なおっさん
  4. Bの芝生
  5. 戦争の話
  6. 面白いこと言わない人
  7. 今日は寝るのが一番よかった
  8. ゲームしかやってないから
  9. 質問チャンス
  10. なんかしゃべんないと友達になれない
  11. こだわる男
  12. 全国大会

アルバム収録曲の”変なおっさん”が試聴できます。
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『エピタフ』ネット通販での取り扱い

”変なおっさん”のミュージックヴィデオ

”変なおっさん”のPVが完成しました。監督は「サッドティー」でお馴染みの今泉力哉さんです。

トリプルファイヤー『エピタフ』発売記念ワンマン “アルティメット パーティー”

「エピタフ」の発売を記念してワンマンライブを開催します。会場は渋谷クラブクアトロ。以下詳細です。

公演日 2015/11/24 (火)
会場名 渋谷CLUB QUATTRO
開場 / 開演 18:30 / 19:30
前売り / 当日 ¥2,500 / ¥3,000
ドリンク D別 ※当日入場時にドリンク代500円を頂きます
一般発売日 2015/09/27 (日)
チケット販売 e+ / ローソン / ココナッツディスク / DISKUNION
お問い合わせ先 渋谷クラブクアトロ / 03-3477-8750
DUM-DUM LLP / 03-6304-9255
 

「幻想の摩天楼」状態

レンタル用のDVDの冒頭には予告編が収録されている。早送りや倍速再生で飛ばしてしまうこともできるのだが、最近は操作するのも面倒に思えてきて予告編を一通り流してから本編を観るようになった。中には、おもしろうそうだなと思うものもあれば、つまんなさそうだなと思うものもある。全て観終わった頃には、虚脱とまではいかないまでも、なぜか憂鬱な気分になり、本編を観る前にぐったりしてしまう。
また、商品にポップをつけたりパネルを使って展開しているような小売店に長時間滞在していると、DVDの予告編を全て観終わったときと同じような疲労感に襲われてぐったりとしてしまう。
同様に、DVDレンタルショップや飲食チェーンの店内向けラジオ放送で流れている曲などは一度気にしてしまうとついつい意識して聴いてしまい、滞在しているだけで余計に疲れてしまう。
さらにインターネットを使って興味のある特定の物事について調べ物をしていても、有象無象の様々な意見に消化不良をお越し、途中からぐったりしてしまい、こんなことなら調べなきゃよかったとさえ思うこともしばしばある。
こういった状況のように、情報が過入力されてしまうと、スティーリー・ダンのアルバム「幻想の摩天楼」のジャケットに描かれている猛獣の形相で屹立するビル群を背にうずくまる男性のような気分になってしまう。ところで話は変わるが、あのジャケのようなイメージを携えたシティ型音楽がそろそろ出てきても良いんじゃないかと思うのだが、どうだろう。『身の丈に合った「おいしい生活」への架空請求!』みたいなコピーで誰かやったらきっと楽しいだろう。こういうのはエレガントにやるのがミソ。
SNSなど見ていると、次から次へとネットの記事を紹介するコメントが流れてくるが、それが絶対に読まなくて良いものだとわかっていても、いっちょ気の利いたイチャモンでもつけてやろうという下衆な心が働いてついついリンクを踏んでしまうという悪癖があり、これがなかなかに断ち難く、とても困っている。
音楽ストリーミング・サービスや音楽フェスといった昨今の「音楽の話題」を扱うような放談的なネットの記事に対しては、「心底どうでも良い」と言いたいがために読んでいるところがある。ストレスの種を増やして一体何がしたいのかよくわからない。下痢になるのがわかっていてもついつい辛いものを食べてしまうのと同じような心理か。まーた「音楽の話題」専門家が音楽とは一向に関係のない話をしてやんの、へへ、と言って捨て置けば良いものを。スノッブ喧嘩せずなんて格言もあるし。
だいたいああいう手合は「ネットで何か言いたい人たち」によってできた行列の先頭にいる人に過ぎず、そんな行列とは根源的に関係などないのだから、冷ややかな視線を送ることさえも無駄なエネルギーの消費であろう。
しかし本当に、その人にとって余計ともいえる情報がこの世には一切存在しないかのように振舞うことができる人もいて、そういう人に芯から憧れてしまう。身のこなしがエレガントでとても素敵だ。
思うに、余計な情報とはDAMチャンネルのようなもので、せっかくカラオケに来ているのにも関わらず誰もマイクを握ろうとしないという倦怠感に満ちた状況とともにそれはやってくるのだ。ちゃんと歌を歌ってさえいれば見なくても済むもので、普段の生活においてカラオケで歌を歌うことに該当することに積極的に取り組んでいないからこそ、自分にとって必要ではない情報に身を晒すことになる。今自分にとって歌うことに該当するものは一体なんだろう。それは『身の丈に合った「おいしい生活」への架空請求!』なのだろうか。よくわからない。でもマギーは好き。
https://www.youtube.com/watch?v=iHSnt9BTJbM

 

俺の小さな友達に挨拶しな!

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先日、軽い洒落のつもりで、Twitterのアカウントをブライアン・デ・パルマ監督の名作「スカーフェイス」でアル・パチーノが演じた主人公のトニー・モンタナ(Tony Montana)をもじって”Tory Montana”とした上で、ヘッダーやアイコンをしかるべき画像に変更し、自己紹介の欄におなじみの名台詞”Say hello to my little friend!”と書き込んだところ、みるみるうちにリムーブされ、フォロワー数が激減。数がモノを言うコンペティティブなSNSという場で、致命的な戦略ミスを犯してしまった。こういうことが起こるといつも決まって「やっぱりな」とつぶやくのだ。今まで調子に乗って一度でも良いことがあったか。
学生時代に所属していた軽音サークルの定例ライブでの出来事を思い出す。それは、スタジオの一室を借りて行われたライブで、VoidだったかMinor Threatだったか忘れてしまったが、我々のバンドがハードコアのコピーバンドをやったときのことだ。サークル員がモッシュの真似事を始めたので、我々もそれを煽るように暴れながら演奏した。無論、私も飛び跳ねてボーカル担当の先輩に体当たりなどしていたのだが、その最中に勢い余ってシールドに引っ張られるかたちでマーシャルのヘッドが地面に落ちてしまったのだ。そのときの友人の血の気の引いた顔といったらない。
ヘッドを戻して恐る恐るスイッチを入れてみると、元どおり音が出たので安心はしたものの、すっかり意気消沈してしまった私は大人しく残りの演目をこなしたのであった。終わってから近くにいた先輩をつかまえて「俺が調子に乗ると決まってこういうことがあるんですよ」と卑屈なことを呟いたら、先輩は「アハハハ」と笑っていた。
ところで、先日、電車に乗ってたときに印象深い出来事があった。
それは金曜の午後10時頃のことだった。電車に乗り込むと対面の扉にもたれかかりながら大きな声で通話している人物がいた。クールビズ姿の20代中頃と思われる男性で、子供が尿意を我慢しているときのように体をクネクネさせており、酔っ払っているように思えた。
次の駅で電車が止まると、私と同じ駅で乗り込んだサッカー選手のネイマールにどことなく似たところのある相貌の男性に「おい、しゃべるんなら外でしゃべろよ」と注意を受けたのだが、それを無視して話し続けるので、注意した男性は、通話を続ける男性の肘を軽く叩いて同じ言葉を繰り返した。車内の視線が一斉に二人に注がれた。
バツの悪い思いをした男性はそそくさと電車を後にするだろうと予想したのだが、彼は電車からは降りずに、一旦電話を切ると、発車と同時に注意した男性に絡み始めた。「なんなの。ちょっと意味わかんないわ」などと言いながら、クネクネした動きで顔を近づける。注意した男性もその反応に驚いていたようでキョトンとしながらも、車内での通話は迷惑であるということを改めて男性に伝えた。それを受けたクールビズ姿の男性の主張を補足しながらまとめると以下のようになる。
車内通話の何が迷惑なんだ。例えば二人連れの者などは電車内でも話すが、それと車内での通話は何が違うのだ。どちらも同じ話し声だろう。なぜ一方的に車内通話だけ弾劾されなければならないのか。注意した以上それを説明する義務があるはずだ。さあ、納得できるように答えろ。それができないのなら、私に注意したことを撤回するのが吉である。
もちろんこの通りに言っていたわけではないが、おそらく上記のようなことが言いたかったのだと考えられる。「うわあ、インターネットみたいなこと言うなあ」と思った私は完全にROM専と化していた。
座席に座りながら二人の様子を伺っていたストリート系ファッションに身を包んだ男性がイヤホンを外してカバンにしまうと立ち上がり、注意した男性に近づいていき「大丈夫ですか?」と声をかけた。
新たに現れた男性は通話していた男性に対して「さっきからずっと話してましたよね?言われなきゃずっと話してましたよね?」と尋ねた。「そうですよ。それの何がいけないんですか?」と返ってくるので、さらに「何で今怒られてるのかわかんないの?」と尋ねる。「わかんないすね」という返事に、ストリート系ファッションの男性はあきれ果てた様子で「あなたいくつよ?」と聞いた。良い年してそんなこともわからないのかというのである。クールビズの男性はさきほどのような勢いは失いつつも、車内通話も二人連れの話し声も同じ話し声なのだから、車内通話だけ注意を受けるのはおかしいというおなじみのロジックを展開したのだが、ストリート系ファッションの男性は迷惑なもんは迷惑なんだよとピシャリ。怒られていた男性が、事態を収拾することを優先するかのように「たしかに会話の一方しか聞こえないと不快に感じるって話もありますよね」ということを穏やかな表情で言うので「やっぱり確信犯じゃん!」と思ってしまった。
ストリート系ファッションの男性は、最初に注意した男性に対しての無礼を謝罪するように促し、怒られていた男性は笑顔ですいませんでしたと言いながら3度ほど頭を下げていた。ストリート系ファッションの男性は二人に背を向けて停車を待った。ドアが開いてストリート系の男性がホームに降りると、やや間をおいてクールビズの男性も電車から去っていった。注意した男性が残る車内は人の話し声がいつもより際立って聞こえるように感じられた。
車内に残った男性は、さらに二駅先で停車した際に、いかにも働き盛りといった風情のパリッとしたクールビズ姿の男性から、「よくぞ言ってくれた」という賛辞を受け握手を求められていた。働き盛りの男性はよほど感慨深かったようで、改めて握手を求めると電車を降りていった。働き盛りの男性に続いて私も電車を降りた。
今ここで我々が考えなくてはいけないことは、マナーとは一体何なのかということであるが、それはどこかの高名な元教授などがブログで良い感じの答えを用意してくれそうなので、それに期待したいと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=SN_Hix80m44

 

スヌープ・ドッグとファレルの「Bush」と私の2015年上半期

先々月ぐらいから久しぶりに会う人に太ったかと聞かれることが増えた。そのように自覚しているので、その都度太ったと返事をしている。肉付きが良くなったうえに、学生時代に買った服を未だに来ているから、ボディラインが露わになって太ったことがより目立ってしまう。
昨年の暮れに、帰省して毎日暴飲暴食を続けていたら胃が広がってしまったために、こちらに戻ってきてもラーメンやカツカレーなどがどうしても食べたくなってしまい、欲望の赴くままに日々のメニューを決定していたら、お腹まわりに贅肉がつきはじめ、頬もふっくらしてきて、さらに胸も大きくなってきた。それは売れっ子の中堅芸人を思わせるような太り方で、少し色気を感じさせたりすこともあるのだが、それほどに出世していない我が身を思うと、やはり分不相応であるから、過度なカロリー摂取は控えなくてはいけないと考えつつも、いつかこの食欲も収まるだろうという楽観的な気持ちでやりすごし、結局一年の折り返しに差し迫ったこの頃になってようやく腹が落ち着いてた。
今ここで、今年も半分終わってしまうのかという焦りとも諦めともつかない茫漠とした感慨に十年一日のごとく耽ったうえで、2015年の上半期を振り返ってみて思うことは、ヒップホップの新作が充実していたよなあ、ということである。
上半期に発売となったアルバムに、ケンドリック・ラマー「To Pimp A Butterfly」、タイラー・ザ・クリエイター「Cherry Bomb」、エイサップ・ロッキー「AT.LONG.LAST.A$AP」などがある。他にも、ドレイクやアール・スウェットシャツなどの話題作もあるけれどフォローしきれていない。また、この先も、フランク・オーシャンとインターネットの新作リリースがアナウンスされている。これらのラッパーは腰を据えてヒップホップを聴き始めた2012年前後にちょうど活躍していた人たちでとても思い入れがあるから今年は最高の年だなという気持ちで一杯だ。
2012年にヒップホップを積極的に聴くようになったのは、2011年に刊行になった「文化系のためのヒップホップ入門」という本を読んだためで、このことは個人的なヒップホップ史におけるサードウェーブにあたる。サードウェーブ系男子の面目躍如といったいったところである。そんなことはどうでもいいのだが、とにかく「文化系のためのヒップホップ入門」をキッカケとして、ヒップホップを自分史における「広義のアメリカンポップス」という枠の中に位置付けることができために、それまで今ひとつ捉えどころがないように思えたヒップホップに対してピントが合うようになった。というよりむしろ、度の合わないメガネを外してみたら却ってよく見えるようになったと言ったほうが当たっているかもしれない。

スヌープ・ドッグの「Bush」

今年の上半期にリリースされたアルバムの目玉の一つに、スヌープ・ドッグの「Bush」というアルバムがあるのだが、これがなんとも微妙な感触を残すアルバムだった。

@mushitokaが投稿した写真


まずなんといってもジャケットが謎。90年代のマイナーなギターポップバンドのジャケットみたいでヒップホップっぽくないし、どういう美意識があるのかよくわからない。プラケースも一般的な透明なものではなく、アメリカの雑貨を思わせるくすんだブルー一色で、どういうこだわりがあるのかよくわからない。個人的には好きな色ではあるが・・・
ところで、スヌープ・ドッグとファレルのコラボレーションでまず最初に思い出されるものは、なんといっても2004年の大ヒット曲で、日本においてはテレビ東京の深夜番組「アリケン」のテーマ曲としても忘れがたい”Drop It Like It’s Hot”だろう。

まさにクールの一言。この曲や、バスタ・ライムスの“Touch It”やリル・ウェインの“A Milli”といったタイプの簡素の極みといえるトラックがもたらしたインパクトったらない。ビヨンセの“Single Ladies (Put A Ring On It)”はこれらの曲に比べるとテンポも早く、幾分か派手ではあるが近しいインパクトがあった。
「Bush」に対して、スヌープとファレルのコラボレーションの中から前例を求めるのなら、マライア・キャリーの”Say Somethin’ ft. Snoop Dogg “が最も近いと感じている。

“Say Somethin’ ft. Snoop Dogg”でスヌープは節のついたようなラップを披露しているが、「Bush」においては、もはやラップをせずにほとんど歌っている。さらに男女混声コーラスで脇をがっちり固めており、そのことが、ヨーロッパのセレブっぽいハウスを思わせるスムースさのあるトラックと相まって、スヌープとファレルが背景と化しサウンドが先立つという、スヌープとファレルという世紀の二大スターががっつり組んだお祭りのようなアルバムにとっては謎というしかない不思議な現象が起こっている。その点についてもやはり微妙な感触を残すアルバムだ。
コーラスパートの多いアルバムである「Bush」において最も多くバッキング・ボーカルとしてクレジットされているのはギャップ・バンドのチャーリー・ウィルソンで、これまでにもスヌープのアルバムで何度も客演を果たしている。ヒップホップとは縁のある人で、最近では、カニエ・ウェストの“Bound 2”や、タイラー・ザ・クリエイターの“Fucking Young/Perfect”でもその歌声を披露している。ギャップ・バンドといえば、Nasの“Life’s A Bitch”の元ネタ、“Yearning For Your Love”でおなじみといってしまっていいのか自信はないが、とにかく80年代に多くのヒットを飛ばしたファンクバンドだ。
また、チャーリー・ウィルソンとともにバッキングボーカルとしてアルバムに貢献しているのはRhea Dummettという人物で、ファレルの“Happy”で聴くことのできる印象的な“yeah!”の声の主は彼女とのことだ。ファレルの率いるi am otherに所属しており、ツアーにも参加しているそうで、今年のサマソニでも彼女の歌声を聴くことができるかもしれない。
「Bush」の一曲目を飾るのは、先日PVが公開にもなった”California Roll ft. Stevie Wonder, Pharrell Williams “である。カリフォルニアロールといってもアボカドの巻き寿司のことではないことがうかがえる。

この曲などは、早起きした夏の朝に、散歩がてらに向かった喫茶店で流れていたりしたら、もう惚れ惚れとしてしまうのが容易に想像できる。というより、そんな御誂え向きのシチュエーションなど用意する必要もなく、音楽に耳をかたむけるだけで良い気分になるし、ああ、良いわぁと言って、うっとりとすること必至である。
ファレルとスヌープ・ドッグたちはカリフォルニアのウォーム&テンダーな日差しと空気をこの録音物に閉じ込めることに成功している。カリフォルニア州に足を踏み入れたことは生涯のうちに一度もないが、そんな気がする。しかし、そのような空気に触れることは、我らがPTAの最新作である「インヒアレント・ヴァイス」を観ることにより追体験が可能である。
ちなみに私はこの曲を聴いてフランスのAirというイケメンな上に音楽の趣味が非常に良いバンドのことを思い出した。“la femme d’argent”という曲はかつて東京ディズニーランドのトゥモローランドでBGMとして流れていた。”California Roll”のPVに出てくるアトラクションは「スターツアーズ」みたいだ。ついでにMoog Cookbookがカバーしたサウンドガーデンの名曲“Black Hole Sun”のムーグアレンジバージョンが流れていたことも書いておこう。うーむ、スペース・エイジ・バチェラー・パッド感覚。
「Bush」から感じ取れる手練れの技であるゴージャスでスムースな感触、そこはかとなく漂う緊張感とある種のイージーさにある時期のA&Mレコードを連想してしまう。と言ってみたものの、A&Mレコードについて詳しいわけではないし、A&Mつってもスワンプとか色々あるじゃんといった話もあるのだが、今はそのことをさておくとする。
スヌープがラップを控えてボーカルを取った「Bush」というアルバム、あるいはそこに収められた曲は、A&M産の、バカラックが自ら歌声を披露した自作の曲や、ハーブ・アルパートの”This Guy’s In Love With You”、ニック・デカロの「Itarian Graffiti」といったようなものとはいえないか。いえたとしてそれがどうしたという話ではあるが・・・
ボーカルについては置いておくとしても、少なくともゴージャスな面においてはクインシー・ジョーンズがA&Mに残した諸作に共通点を見つけることができるだろう。
「Bush」というアルバムは、かつてのA&Mのレコードがそうであったように、スヌープとファレルというスターのキャラクターが背景化したのちに、現在とは違った角度から評価を受けるのではないかと考えている。むしろ現時点ですでに、「リアルタイム再評価」とでもいうような、いささか倒錯した聴き方になってしまっている。それが良いことなのか悪いことなのかはわからない。
クインシーといえば、「Bush」のどこかでマイケルの”Wanna Be Startin’ Somethin’ “を引用したようなところがあったような気がしたのだが、忘れてしまった。しかし「Bush」はどちらかというと「Off The Wall」的である。ネプチューンズで飛ばしていたころから、ジャスティン・ティンバーレイクとの仕事などで「Off The Wall」を思わせるサウンドには取り組んではいたが、それはバグを起こしたようなところがある突飛なものであった。今回の丁寧に作り込まれたトラックは「Off The Wall」のようなスムースさがある。
ここ数年、若手ラッパーのアルバムでプロデューサーとしてクレジットされたファレル・ウィリアムスの名前を見ることがままあった。例えば、手持ちのものから羅列していくと・・・フランク・オーシャンの「channel ORANGE」(2012)では”Sweet Life”、”Golden Girl”の2曲を、ケンドリック・ラマーの「good kid, m.A.A.d. city」(2012)では”good kid”を、ウィズ・カリファの「O.N.I.F.C.」(2012)では”Rise Above”を、アール・スウェットシャツの「Doris」(2013)ではチャド・ヒューゴとともに”Burgundy”を、マック・ミラーの「Watching Movies With The Sound Off 」(2013)では”Objects In The Mirror”をプロデュースしている。これらのトラックの多くは、スローテンポで、サウンド的には今日的なダークな響きがあり、総じて渋めである。一聴してそれがファレルの仕事であると判別するのは難しいところがある。これらをファレルのダークサイド仕事と無責任にいっておこう。ダークサイドといってもサウンドの傾向に限った話で、心理的なことはここではどうでも良い。あくまで仕事であるところがミソだ。
一方、2013年にリリースされたマイリー・サイラスの「Bangerz」に収録されている”#GETITRIGHT”と”4×4″では、その後の「G I R L」で聴くことのできる陽気者サウンドというべきトラックを披露している。
同年、これまでもファレルとのコラボレーションでヒットを飛ばしてきたJay-Zによる「Magna Carta… Holy Grail」では、”Oceans”と”BBC”をプロデュースしている。フランク・オーシャンをフィーチャーした”Oceans”は、アディショナル・プロデューサーとしてティンバランドがクレジットされている。この曲はダークサイド仕事といえるだろうが、一方、ナズをフィーチャーした”BBC”はファレル的な陽気なビートの上に仄暗い色彩のアコピのループがのっかった折衷サウンドといった趣だ。
また、2013年はフランス製のロボット二人組やロビン・シックとの仕事が大ヒットを記録した年でもあった。その後、ファレルがHAPPY街道をまっしぐらであることは皆さんもご存知のところであろうが、個人的にはダークサイド的な裏方仕事が念頭にあったので、表の顔で浮上してきたことがとても意外に思えたのだった。
ところで、今年の大目玉アルバムであるところのケンドリック・ラマーの「To Pimp A Butterfly」に収録された”Alright”をプロデュースしているのはファレルなのだが、これもダークサイド仕事の系譜といえるようなものであった。
最後に「Bush」に対して言及しておかなければいけないことがあるとすれば、概してベースラインが素敵であるということだ。それとついでに、「Bush」を聴いてハービー・ハンコックの「Feets, Don’t Fail Me Now」を思い出したことを言っておきたい。ハービーがボコーダーを使用してボーカルを取ったアルバムである。このアルバムの“Trust Me”は聴きもので、キリンジ兄またはリオン・ウェアのような哀感と色気に満ちたコード進行に、ロボット声が愛を語らうという珍事が繰り広げられているが、そこには謎の感動がある。さすがにスヌープはここまであからさまにはボコーダーを使用してはいないのだが。
ところで、タイラー・ザ・クリエイターがネプチューンズ及びN.E.R.D.のことを敬愛しているということは既にご存知の方も多いとは思われるが、4月に発売された彼の新しいアルバム「Cherry Bomb」ではそのことが素直に表れていてとてもよかった。

タイラーの繊細で垢抜けたコード趣味の魅力が存分に発揮された最高の曲。
このPVの流れとは異なり、アルバムでは”Fucking Young”に続くのは”Perfect”という曲で、曲名も”Fucking Young/Perfect”となっている。後半部の”Perfect”で歌声を披露しているのは、カリ・ウチスという人物だ。彼女が今年の2月にリリースしたEPではタイラーが2曲をプロデュースをしている。また、ほかの曲ではタイラーとも縁のあるBADBADNOTGOODがプロデュースを手掛けている。なぜ今これを紹介したかというと、このEPが特設サイト「Por Vida: Free DL — Kali Uchis」よりフリー・ダウンロードできるからだ。オススメ。
タイラーの音楽の趣味を知るには、以前彼がDJ Stank Daddy名義でインターネットにアップロードしたミックステープを聴くのが良いだろう。
Summer Camp Mix 2011
Summer Camp Mix 2012
そして、タイラーが敬愛してやまないN.E.R.D.の5年ぶりシングルがこちら。スポンジ・ボブの映画のために書かれた曲だそうだ。チャド&ファレルは平成のリーバー&ストーラーである!といった趣の楽しくてトロピカルなコミック・ソング。

いやはや下半期も楽しみだ。

 

インタビュー考

発売されたばかりのエイサップ・ロッキーの新作を買うために新宿のタワーレコードに寄ったときに、スヌープ・ドッグが表紙のバウンスが気になったので一冊もらってカバンにつめこんで、帰宅してPCを起動させている間にバウンスを手にとりページを数枚めくるとミツメの写真が現れたので、あ、ミツメだ、と思って、中身を読んでみることにした。
それは新しいシングル「めまい」の宣伝のページで、主にミツメへのインタビューで記事が構成されている。そこでミツメの面々は、曲作りのこと、アレンジのこと、演奏のこと、レコーディングのことなどについて答えており、それを読んで、すごくいいなあと思い、そして、とても羨ましくなってしまった。
誰もそのようなことを質問してこないということは、まあ、そういうことなんだろうと察して、もっぱら暖簾に腕を押して鉄の拳を作る日々なのだが、未練がましくも断ち切れない思いがあり、誰に訊ねられたわけでもないのに自ら語ろうとしてみても、その瞬間、気持ちが萎えてしまう。それは、そうした話題を取り上げるときに独白という形式を取ってみても大しておもしろくはならないだろうという予感があるからだ。そのような話題を口にする場合はやはり対話であるインタビューのほうが適しているだろう。
インタビューは本来的に、二人以上の人間がそれぞれの手に持った箸で、ひとつの里芋の煮物を共に持ち上げようとする行為に近いところがある。そして、その行為によって生じる、里芋の描く思いがけない軌道だとか、里芋を介して伝播する各々の力加減だとか、その里芋の行く末だとか、そういった類のものを契機として得られる興奮こそが、迂回を経ようとも却って里芋に生気を与えるのである。食べ物で遊ぶなという話もあるそうだが。
かねてからそれはありふれたものであったが、インターネットの発達によってさらに目についてしまうインタビュー記事の夥しさに鑑みて、インタビューというものは経済的に優れているのだろうなあと考えざるを得ない。それがインタビューと呼ばれるものであれば、内容如何を問わず、何かを読んだ気になれるし、「へえ、なるほど。おもしろい」と口にすることもできるだろう。そして、それが人に対して何かを考えさせるような、何か意見を言わなくてはいけないような雰囲気を醸し出すものであれば尚経済的である。
経済的であることを優先するのならば、里芋で遊ぶなんてことは不経済であると言わざるを得ない。この相反する二つのものを同時に処理するにはどうしたらいいのか。そんなことを考える筋合いはないし、その必要もないからここでは考えないことにする。
結局、今やらなければいけないことは暖簾に腕を押して鉄の拳を作ることにつきるのだが、もし万が一仮に、親切な人が目の前に現れて、何か楽しい質問してきたとしても、例によって何も答えられないと思う。そしてそれは仕方がないことであるとも思う。
だいたい昔から「HEY!HEY!HEY!」とか「うたばん」のようなトーク中心の歌番組が好きじゃなかったし、ミュージシャンという職業がこの世に存在することを認識したのは、小学校高学年の頃に、宇多田ヒカル、椎名林檎、ドラゴン・アッシュといったテレビでおどけた姿を見せることのない神秘的な人たちが登場してからのことである。そういう刷り込みが未だにあるから、言わぬが花というか、沈黙は金というふうにどうしても考えてしまう。問わず語りは野暮の極み乙女。こんなブログは即刻消去して、インターネットから撤退するのが吉だ。

 

【密造盤】ミツメ「三角定規△」カバーについて

このブログを定期的に読んでいる人の数をグーグルアナリティクスなどを参照しつつざっと見積もると、多くて10人程度だと考えられる。これを妥当な数字だと思った。むしろ多いのかもしれない。
一時、「日本人はブログを書くのが好きだ」みたいなことを言う文化人っぽい人が多かったのだが、今は自分の周りでも頻繁にブログを書いている人はあまりいないように思われる。なんとなくまとまった文章を書いたりすることが野暮ったいというか年寄りじみているのではないかと不安になるのだが、そもそも自分には若者らしいポップなところがあまりないのだから、今更そんなことを気にしていても仕方がない。いっそのことブログ名を、オジさんの趣味のブログよろしく「のとりいあす備忘録」だとか「徒然のとりいあす日記」といった名前に潔く変更するのもひとつの手かもしれない。
そんなこともあり、今回は「のとりいあす備忘録」です。
三角定規△のカバーについて
みなさん、密造盤はお聴きになられましたか!密造盤って何?という方に説明すると、スカート主催企画「月光密造の夜」に出演するスカート、ミツメ、トリプルファイヤー、この3バンドが、各バンドの指定する曲をそれぞれカバーするという企画で作られた盤のことで、我々はミツメの”三角定規△”とスカートの”おばけのピアノ”をカバーしたのです。
Soundcloudや密造盤でお聴きになった方はわかると思うのだが、ミツメの”三角定規△”は直接的にイギリスのバンド、ザ・スミス風のアレンジでカバーしている。そういえば、どうしてスミス風のアレンジになったんだっけ?ということふと思ったので、少しずつ思い出していきたい。
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アレンジに手をつけた時点で、ファレル・ウィリアムスのHappy風にするというアイディアがあった。ルートの動きにその名残があるかと思う。そのルート音を元にコードをつけていったので、コード進行自体はあまりジョニー・マー的ではなく、むしろアルバート・アインシュタインが唱えた理論に近いものがある。もっといえば歌謡曲〜J-POPのクリシェそのものだ。このアレンジはどことなく「いい日旅立ち」のような哀感を湛えているような気がしないこともない。
今ここでコンフェッションしておきたいことがある。コードをつけるときに難しいことは考えずパパッとやったせいで、メロディに対して結構無理のあるコード進行になってしまっているのだが、それに気づいたのが音源制作後だったのでもうどにもならなかった。具体的に説明すると、楽典的知識に乏しいので下手なことは言えないのだが、あるメジャーコードに対して、メロディが短3度でぶつかってしまっている箇所がある。これは果たして理論的に大丈夫なのだろうか。ジミヘンコード的な感じで問題ないのだろうか。喉に小骨が刺さったようで気持ちが悪い。吉田くんもさぞ歌い辛かったことだろう。その影響は川辺くんにも波及してしまい、沖縄のライブの前に元のメロディがわからなくなったと言って困っていた。どうもすみませんでした。
メロディのある曲を演奏してさらにボーカルが歌うという真っ当なことが自分たちにとっては異例のことなので、どう調理したもんかと色々思案していたときに、一月の企画「新年会」でハイスタの”My First Kiss”をカバーというかコピーしたことを思い出し、メロディを真っ当に歌うという線もありだと考えた。奇を衒ったアレンジで脱力気味に何かそれっぽいことをやっていれば「ああ、いかにもトリプルファイヤーらしいね」で済んでしまうし、それが一番楽な道なのかもしれないが、作品の質としてそれはどうなのという問題もあるし、それがスカート、ミツメと並ぶと来た日には。それは大変に恐ろしいことである。これはもう生半可なことでは済まないという危機感から夜も眠れず半泣きになってアレンジを考えたのであった。というのは半分ぐらい嘘。半泣きになりつつもアレンジを考えるのはとても楽しい作業だった。こんなに楽しいことが世の中にあるのかと吃驚するほど楽しかった。
「メロディ及びコード進行のある曲を演奏し、ボーカルが歌う」という我々にとっては異例なことを糸口にして、ついでに自分たちが普段やらないような要素を盛り込んで、バンドのあり方に幅が生まれたら儲け物じゃないかと個人的に考えてはいた。そんなときにポッとスミスが降りてきたのであった。
スミスというと高校のときに、『Queen Is Dead』と『Meat Is Murder』を聴いたぐらいで、さほど思い入れのあるバンドではなかった。ここに来てポッとスミスが出てきたのは様々な理由が考えられるのだが、ややこしくなりそうなのでここではさておくとする。端的に言ってしまえば、「アンチウェッティー」の裏返しである。バンドに入ってからずっとドライ志向でやってきて、それが今も空回りしている感がなきにもあらずなのだが、乾ききった心が無意識にウェットなものを求めていて、それがたまたまスミスだったのではないかと思われる。
そこからハマりにハマってユニオンやAmazonでアルバムを買い揃えた。最初に『Hatful Of Hollow』を聴いていればスミスに対する印象も変わっていたのかもしれないと感じた。高校生の頃にはわからなかったことだが、改めてスミスの音楽に接したときに、ジョニー・マーの50年代及び60年代のアメリカンポップス趣味に驚かされた。テクノロジーの進歩を謳歌する時代に昔のアメリカ音楽から影響を受けたスタイルでやるということは相当スノッブだったに違いない。最高だ。スノッブは勇気。スノッブは素直さの発露。スノッブは自分に正直であること。
だからどうしたといった類の話なのだが、三角定規△のカバーではどうしても12弦ギターが使いたかったのだが生憎持っていなかったので、代わりにナッシュビルチューニングを施したギターで同じフレーズをダビングした。ナッシュビルチューニングとは12弦ギターの副弦を張ったギターのチューニングのことだ。1、2弦はそのままにして、本来3〜6弦を張るところに1〜4弦を張り、それらの弦を通常よりも1オクターブ高くチューニングするとナッシュビルチューニングが完成する。その際、細い弦を張らないとテンションがかかるので、注意が必要である。自分がナッシュビルチューニングにしたときは、弦が切れそうで怖かったので、チューニングを一音下げて2カポで弾いた。
件のナッシュビルチューニングを施したギターで演奏した動画を以前セルフィしたので、拙い演奏で恐縮ではあるが、そちらを参考にされたし。バンジョーみたいな音だ。

ナッシュビルチューニングセルフィ

@mushitokaが投稿した動画 –


12弦ギターに近づけるべく、ラインで録音した通常のギターとナッシュビルチューニングのギターの2トラックをオーディオインターフェースで出力し、途中で安物コーラスペダルをかまし、VOXの小さい安物アンプで鳴らしたものを、マイクで拾うという工程を踏んで、1トラックにまとめた。普段まともに宅録などやったことないので、こういうことをするのは初めてだったが、これもまた楽しい作業であった。
こういう過程を経て、音のほうはジョニー・マーっぽくなったのだが、演奏したフレーズ自体は言うほどにはジョニー・マーっぽくはないと思う。ジョニー・マーのアルペジオはロカビリーのようなスタイルでシンコペートするところがあり、そこが彼と凡百のギタリストとの違いなのだろうが、三角定規△のギターはストレートな8分音符の羅列といった趣だ。やはり付け焼刃ではそれっぽいものにしかならない。アメリカ→イギリス→日本という道程を経るとどうしてもアメリカの味が薄くなってしまう。
イントロと間奏はもっとわかりやすくスミス風にしようと思い、”Headmaster Ritual”からフレーズを臆面もなく頂いて、しょっぱなのスネア連打のところをくどいぐらい繰り返した。このぐらいやって初めて丁度良いレベルになるのだろう。三角定規△のカバーを通じて、普段自分がやっていることがいかに地味かということを痛感した。やるときは大見得切ってやらなきゃだめだ。見出しになるような部分が一つでもないと何もやっていないのと一緒だと見なされると考えたほうが良いのかもしれない。もしくは自分でわかりやすいコピーをつけるという手もあるのだろうが、口癖が「うーん」の私にとってそれは大変難しいことであるように感じる。
今回の企画は3つのバンドによる所謂「スプリット盤」なので、アレンジが普段に比べると社会的であるように思える。いつもは「これもまぁきっとウケないだろうな。別にいいけど」という気持ちで作業に取り組むことが多い。今回は自分以外の誰かが聴くものであるという命題を優先させて作ったから、より社会的なアレンジとなった。社会性を意識すると今度はスベるのが怖くなる。三角定規△はすべってないか?
イントロと間奏についてもう少し言うと、”Headmaster Ritual”からの直接的なイタダキと言ったが、単音リフの部分は個人的には“What’d I Say”っぽいと思っていて、レイ・チャールズ→ビートルズ(”I Feel Fine”)→スミスという系譜を遡っていった形になっている。さらに、”What’d I Say”=ゴスペル+R&B/ラテン=”Happy”という円環構造にもなっている。こんなことは無理のあるこじつけでしかないのだが・・・
また、ここのフレーズはRich Kidsの”Ghosts Of Princes In Towers”のイントロを思い出させるところがある。Rich Kidsは元セックス・ピストルズのグレン・マトロックのバンドで、ボーカルは後にウルトラヴォックスに加入するミッジ・ユーロが担当している。”Ghosts Of Princes In Towers”は一年に一回ぐらい聴きたくなる名曲。アレンジが過剰なので、一年に一回ぐらいで良い。お腹いっぱいの名曲。
三角定規△のカバーを経て、キラキラした音が忘れられなくなった私は、今とても12弦ギターが欲しくなっている。マック・デマルコのバンドのギタリストが使っているダンエレクトロの12弦ギターがお手ごろ価格で良いのではないかと思う。それってトリプルファイヤーでも使うの?合う?という声も聴こえてくるが、デヴィッド・バーンだって12弦ギター使ってるよ!だからたぶん大丈夫だよ!
ところで、ライブ会場限定販売だった密造盤がお店でも買えるようになったとのこと。取扱店舗はタワーレコード近鉄パッセ店・名古屋パルコ店、JETSET、ココナッツディスク吉祥寺・池袋店。JETSETとココナッツディスクでは通販もあるとのこと。
V.A. / 密造盤 | Record CD Online Shop JET SET / レコード・CD通販ショップ ジェットセット
COCONUTSDISK WEBSTOR – V.A. / 密造盤 [NEW CD]
今回の記事は本当にオッさんの趣味のブログっぽい内容になってしまったのだが、こんなことを続けていたら、おそらくこのブログの読者はいなくなってしまうだろう。世は戦略と発信の時代である。いじけて趣味なんてぬるいことをやっていてはダメだ。そういうわけで、次回よりこのブログはSEO対策についてのTIPSをお届けするブログになります。メンター!

 

クリトリプルファイヤー

ついに一月以上このブログを更新をすることがなかった。週一ペースで更新していくという当初の計画は完全に頓挫してしまった。今回は久々に手頃なネタができたので更新しようと思った。
ネタというのは先日の企画「クリトリプルファイヤー」のBGMプレイリストのことで、例によってこれを発表しようと思う。

  1. The Isley Brothers – That Lady Part 1 & 2 – 3 + 3
  2. The Workshop – Luke’s Boutique – Workshop
  3. CAN – Vitamin C – Ege Bamyasi
  4. Snakefinger – The Model – Chewing Hides The Sound
  5. Véronique Vincent & Aksak Maboul – Réveillons-nous – Ex-Futur Album
  6. William Onyeabor – Good Name – World Psychedelic Classics 5: Who Is William Onyeabor?
  7. Azimuth – Melô Dos Dois Bicudos – Azymuth
  8. Captain Beefheart – Bat Chain Puller – Shiny Beast (Bat Chain Puller)
  9. Tom Zé – Complexo De Epico – Todos Os Olhos
  10. Marcos Valle – Mentira – Previsao Do Tempo
  11. Hirth Martinez – Djinji – Hirth From Earth
  12. Jingo – Fever – Afro Rock (Vol.1)
  13. Magic Circle Express – Magic Fever – Calypsoul 70: Caribbean Soul & Calypso Crossover 1969-1979
  14. Cameo – Rigor Mortis – The Best Of Cameo
  15. Gilberto Gil – O Canto Da Ema – Expresso 2222
  16. Moebius-Plank-Neumeier – All Repro – Zero Set
  17. Francis Bebey – Bissau – Psychedelic Sanza
  18. Gong – Love Is How Y Make It – Angel’s Egg
  19. Harry Nilsson – Me And My Arrow – The Point

このプレイリストは、左からアーティスト名、曲名、アルバム名という並びになっている。
今回は特にこれといったテーマが浮かばなかったのだが、結果的に大滝詠一の分母分子論でいうところの自分にとっての分母にあたるような曲が集まった。(自分で選んでいるのだから当たり前の話なのだが…)これらの影響が分子として表れているかどうかはわからない。
人のライブを観に行ったときや、誰かの企画にお呼ばれしたときなど、幕間にその人ないしその人たちの分母と考えられる曲が流れていると、なんとなく聴いていて良い気分になるので、そういうものを真似してやっているというところもちろんある。
これもまた例のごとく、Mixcloudにアップロードしたので、おひまなときに是非聴いていただけたら甚だ幸いです。いつものように余計な能書きを垂れてしまいましたが、再生したら音が流れてくるので、そちらに耳を傾けてみてください。

CliTripleFire by Notoriious on Mixcloud